平面クエット流において,レイノルズ数と初期条件が異なる10万例以上の数値計算を行い,カオス発生の初期段階を詳細に捉えた.層流解以外のアトラクタが同時に2つ存在することで,フラクタル吸引領域境界の形成やその崩壊過程を複数の大域分岐と関連して見つけた.求めたリアプノフ次元は2を少し上回る大きさであり,カオスアトラクタは1次元写像と同相であると考えられる.このため,原理的には数次元の力学系を構築できることが分かった.永田の定常解からのカオスの発生においては,機械学習を用いてこの低次元化系を構築し,少なくとも5変数を用いることで,ナビエ・ストークス方程式を再現する高精度な系が構築できることが分かった.
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