本研究では粘性が支配的な系において,1)流れ中での物体の変形,2)物体の間隙を流れる微小粒子の移動に着目した.1)では特に赤血球について,流れ中における変形および浸透圧差に起因する変形の挙動を実験により調べ,定量的に評価した.2)では,障害物の間隙を流れる微粒子懸濁液の移動特性を実験と数値解析により調べた.実験では球形ガラスビーズを充填した準二次元流路中に微小粒子懸濁液を流し,流路内の微粒子分布とその時間変化を詳細に調べた.数値解析ではストークス動力学法を用いて粒子間隙を移動する微粒子群挙動を求め,粒子の空隙率と個々の微粒子の速度および微粒子群全体の拡がり方との関係について明らかにした.
|