近年,人工衛星のミッションの多様化に伴い,宇宙空間における急激な温度変化に柔軟に対応可能なラジエータが望まれている. 本研究では,間隔をサブミクロン以下に近づけたときに発現する近接場効果を利用可能なデバイス設計,試作方法の検討および試作デバイスの性能評価を行った.設計では,隣接するダイアフラム間でばねを共有することで従来のMEMSラジエータよりも開口率(放射面積/全面積)を89%まで向上させた.さらに,加熱実験では,ON/OFF状態でのダイアフラムの温度変化は近接場効果により58.0℃から 106.4℃まで変化し,熱流束変化に換算するとON状態では144%増加することを明らかにした.
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