研究課題/領域番号 |
26820064
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研究機関 | 秋田県立大学 |
研究代表者 |
大徳 忠史 秋田県立大学, システム科学技術学部, 助教 (40452049)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 熱工学 / 伝熱 / バイオマス / 固体燃焼 / 熱分解 / イメージング |
研究実績の概要 |
バイオマス燃焼において,熱分解速度は重要な特性値の一つである.従来,熱分解速度の計測には,熱重量計測(TG)や示差熱量計測(DTA)が用いられてきたが,これらの手法では,試料と雰囲気が温度平衡状態となることを前提としている.試料内部に温度分布が存在する条件下では,TGやDTAを用いた結果からは熱分解過程の正確な評価は困難である.熱分解速度が非定常的に変動するような過程のバイオマス燃焼メカニズムの解明においては,バイオマス内部の状況の変化をリアルタイムで観測することが極めて重要となる.木質系バイオマスを研究対象とし,内部に温度および構造の分布を有する状況下において,試料内部の熱分解挙動をリアルタイムに非破壊で観測を行ない,内部の構造・組成・成分の非定常変化を定量的に評価することを目的としている. 平成26年度は,まず,対象とする試料の熱重量計測を実施し,熱的基礎特性について分析した.さらに,申請者がこれまで行なってきたSPring-8での非破壊計測手法を非定常熱分解現象に適用するため,現地ビームラインへ組み込める装置を設計開発し,現地での計測を試みた.また,実験に先立ってSPring-8では適切なX線エネルギー値や露光時間,ショット数の選定を実施した.X線CTは熱分解前後での試料に適用し,また,非定常透過計測は熱分解過程にある試料に適用した.内部の導管繊維の収縮の様相や輝度値の解析から熱分解の進行の様相を把握しつつあり,例えば,TGによる計測結果とX線透過計測による透過光強度分布の対応から熱分解過程の木質系バイオマス内部の密度分布を解析した.しかしながら,SPring-8の高輝度・高分解能のビームを利用するにあたり,高温雰囲気中での計測のため試験部自体の熱変形についてさらに対策が必要とされることが分かった.今後,引き続き種々の条件下での計測を進めていく予定である.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
交付申請書に記載の年度研究実施計画を遂行することができている.
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今後の研究の推進方策 |
平成26年度の実施計画がおおむね順調に遂行されているため,引き続き当初の計画通り実験室での基礎データ収集とSPring-8での非破壊可視化を継続し,種々の条件下での計測を進め,熱分解現象を定量的に解明する.しかしながら,SPring-8の高輝度・高分解能のビームを利用するにあたり,高温雰囲気中での計測のため試験部自体の熱変形についてはさらに対策を施す必要があるため装置の改良を行う.
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次年度使用額が生じた理由 |
平成26年度は実験装置を設計し,当初の予定より安価に装置の開発を行なうことができ,SPring-8で実際に検証および実験を行なった.SPring-8での実験研究は一般公募で採択され利用料も安価であった. 順調に遂行していることから平成27年度は現地での研究がさらに必要となる.なお,上述のようにSPring-8で行なう実験研究は公募申請する必要があるが,やや割高な優先課題としての申請も検討している.さらに,成果発表や調査研究として国際会議への参加も予定しており,それらを考慮して次年度使用額が発生した.
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次年度使用額の使用計画 |
平成27年度は,SPring-8での実験に関して高温雰囲気中での計測で試験部自体の熱変形が大きく影響を及ぼすことから実験装置の改良を行なう.また,熱分解を制御するためのガス供給系,実験に必要となる消耗品に研究費を使用する予定である.また,SPring-8で行なう実験研究は一般申請を行なう予定であるが,状況によっては,優先課題としての申請も検討している.さらに,国内・国際会議での成果発表や調査研究のため研究費を使用する予定である.
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