本研究では、製鉄プロセス等で排出される熱ふく射から電力を得る波長変換/発電モジュールの開発を目的とし、波長変換ふく射輸送を担う希土類酸化物膜エミッターについて構造の最適化を検討した。具体的には、アルミナ表面に石灰釉をベースとするEr酸化物膜をコーティングし、膜の組成と1000℃における近赤外放射率との関係を調べた。その結果、Er2O3の割合が50wt%の場合にバルクの石灰釉中に含まれるEr量が最大となり、Erの放射ピークである1.55μmにおける放射率が最大となることが明らかとなった。また、希土類元素をYbに変更した場合には、反応生成物の違いから最適な組成条件が異なることが示唆された。
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