本研究では,ロボットのような複数の物体が関節によって結合されたマルチボディシステムに適用できる新しい省エネルギー駆動法を開発した.すなわち,関節部にばね等の受動ストレージ要素を付加し,運動中に蓄えられるポテンシャルエネルギーを有効に利用することによって,消費エネルギーを大幅に低減する方法である.最適制御理論に基づいて,最大の省エネルギー効果が得られる条件を明らかにし,その結果に基づいてばねと動作軌道の同時最適設計法を確立した.さらに,提案手法を実現するための具体的な機械設計と制御の問題について検討した.試作機を製作して,実機実験により提案手法の実用性や省エネルギー効果を実証した.
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