多くの内視鏡下レーザー治療は,照射部の温度の違いによって温熱,凝固,蒸散など異なる熱的効果が得られるため,温度計測は重要であり,安全面を考慮すると非接触式の温度センシングが望まれる.本研究では,熱変性による変化する被照射部の光学特性の変化を解析し,照射部温度を推定する方法を検討した.はじめに,照射部中心温度を熱電対で計測しながら反射光強度を計測し,照射部温度と反射光強度の関係を明らかにした.次に,温度と反射光強度の時間応答の特性をそれぞれ異なる伝達関数でモデル化し,二つの伝達関数をもとに温度推定式を構築した.これにより,非接触によりレーザー照射部中心の温度計測ができる可能性が得られた.
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