研究課題
前年度に製作した1kWクラスにダウンサイジングした試作機を用いて磁気ギアード発電機の特性を評価するために,DC電源と並列に電子負荷を設置し,発電した電力を吸収させるシステムを構築した.また,インバータにコンバータ機能を追加することで,PWMコンバータで運転させた場合の評価をできるシステムを構築した.発電機をモータとして駆動する場合,電子負荷やPWMコンバータ機能の増設は不要であるが,インバータとしての評価結果はコンバータとしての評価結果と異なるため,発電機としての評価が必要となる.回転速度-トルク特性を評価したところ,通常の発電機は負荷の増加とともに回転速度が低下するが,この磁気ギアード発電機では負荷の増加に応じて回転速度が増加する現象が確認された.この現象を検証するため,ベクトル制御下での有限要素解析を行った結果,シミュレーションにおいても同様の結果が得られた.シミュレーションと実験の結果より,負荷の増加によって回転速度が増加した原因は,磁気ギアード発電機のトルク定数が減少したためであることがわかった.つまり,磁気ギアード発電機では負荷の増加に応じて両ロータの位相差が増加し,トルク定数が減少していることがわかった.このように,磁気ギアード発電機では負荷の増減に応じて両ロータの位相差が変化するとともに,トルク定数も変化することが明らかになった.したがって,磁気ギアード発電機は,受動的可変磁束特性を有しており,幅広い回転速度領域で高出力を出せる性能を有していることが明らかになった.
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COMPEL
巻: Vol34, No.2 ページ: 428-438
日本AEM学会誌
巻: Vol.23, No.2 ページ: 326-331