本研究は、光閉じ込め効果を有する螺旋液晶(コレステリック液晶)を用いたQ-スイッチレーザー発振を目指した研究である。これを実現するためには、液晶共振器のQ-値を高速に変化させるための技術が必要であり、液晶の電気光学効果の高速化に関する研究を主に実施した。液晶の応答速度の高速化を推し進める中で、これまで発見されてこなかった新しい高速応答成分を発見した。これは、螺旋が伸びる運動と局所的な分子の運動を分離し、後者のみを抜き出すことで得られた。このとき、螺旋軸をガラス基板に平行な方向に配列させる技術が必要となったため、せん断応力を用いた分子配向制御の研究も同時に行った。
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