本研究はBi系高温超伝導材料の臨界電流密度(Jc)および、その異方性(γ:磁場によるJcの低下)を改善し、Bi系高温超伝導材料の実用化を促進することを目的とした。特にBi系超伝導材料におけるJc異方性の改善に取り組んだ。具体的には、Jc異方性の改善に効果的な3次元的な構造歪を導入するため、Bi系超伝導材料にMgを添加する手法を提案した。実験結果から、Bi系超伝導材料の表面にMg(5%)を400~500℃で熱拡散させると、Jc異方性のパラメータγが最高で1/7に改善されることが分かった。熱拡散温度やMg添加量等を更に最適化することでJc異方性が一層改善できるものと期待される。
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