研究課題
平成26年度にはゲート絶縁膜/Si界面の原子レベル平坦化技術を大規模集積回路製造工程に導入するために2種類の方針に基づくプロセス技術を開発した。平成27年度には、本プロセス技術を従来の半導体生産工場へ適用する際に新規に導入する工程数が少ない、Si表面の原子レベル平坦化プロセスをゲート絶縁膜形成直前に導入する方針において、最小加工寸法0.22umのプロセステクノロジをベースとしてSi表面原子レベル平坦化のための高純度アルゴン雰囲気下における熱処理プロセスの温度・ガス流量等のプロセス条件の最適化を行った。その結果、熱処理温度を800℃とすることで、直径200mm全面において平坦化の効果の1つであるゲート絶縁膜の破壊耐圧・寿命の向上がばらつき少なく得られることを明らかにした。また、製造後の微細トランジスタのゲート絶縁膜/Si界面の平坦性を原子間力顕微鏡を用いて測定した結果、原子ステップ・テラスから構成される原子レベル平坦性が得られていることを確認した。以上から、大口径ウェハ用いた大規模集積回路製造工程に原子レベル平坦化技術を導入することが出来たことを実証した。さらに大規模アレイテスト回路を用いて100万個を超える測定対象トランジスタ郡のランダムテレグラフノイズを統計的に測定・解析した結果、従来の平坦性を有する素子と比べて原子レベル平坦性を有する素子においては、ゲート絶縁膜中のトラップによるキャリアの捕獲・放出に起因するノイズ振幅が小さいことが明らかになった。この結果は平坦性の向上によりMOSトランジスタのゲート絶縁膜/Si界面のポテンシャルのばらつきが抑制された効果を示すものであり、平坦化によるノイズ抑制の効果を実験的に実証すると共に、低減メカニズムを理論的に明らかにすることができた。
すべて 2016 2015
すべて 雑誌論文 (10件) (うち査読あり 10件、 謝辞記載あり 2件、 オープンアクセス 5件) 学会発表 (18件) (うち国際学会 13件、 招待講演 4件)
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