研究課題/領域番号 |
26820134
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研究機関 | 福岡大学 |
研究代表者 |
文仙 正俊 福岡大学, 工学部, 准教授 (50412573)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | ホログラフィックデータストレージ / 空間直交振幅変調 / 光メモリ |
研究実績の概要 |
ホログラフィックデータストレージにおける信号光変調法として,従来の二次元光強度変調に加え多値二次元位相変調を施す空間直交振幅変調に関して,より高精度に変調信号光を生成し,また,信号光複素振幅を検出・復調する技術について光学実験及び数値シミュレーションにより検討を行った. まず,空間光位相変調器と空間光強度変調器を4-f光学系を介し直列配置することで,空間直交振幅変調光を生成することに実験的に成功した.空間光強度変調器は変調強度に応じて光波の位相も変化させてしまうという問題があり,この位相変化を考慮に入れて位相用変調を施すことで高精度な空間直交振幅変調を行うことが可能となった.また,この空間直交振幅変調信号光の複素振幅検出をいくつかの手法により試みた.本研究課題の最終目的である位相シフト埋め込み法については十分に進展していないものの,その前段階として,ピエゾミラーを用いた位相シフト法,マイクロポラライザアレイ付きCCDカメラによるシングルショット位相シフト法,フーリエ縞解析法等により実験的検討を行った.これらの検討により,1ページ当たり16×16シンボルを有する空間直交振幅変調データページにおいて,強度2値変調に対し,位相4値,8値,16値程度の変調数において比較的高精度に生成・検出することが可能となった. 上記検討はホログラム材料へのホログラム記録・再生を介さない,空間直交振幅変調信号光の直接検出であるが,フォトポリマ材料への記録・再生を行った空間直交振幅変調信号光の検出も同様に試みており,直接検出時と比較し若干の精度低下は見られるものの,エラーレート等の観点からは概ね良好な実験結果を得ることが出来ている.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究実績の概要に記載の様に,予定されていた位相シフト埋め込み法の複素振幅計測精度向上は十分には進展していないものの,これ以外の研究項目についてはほぼ予定通りに進展しているものが多く,更にフォトポリマへの空間直交振幅変調信号光の記録・再生及び検出など当初計画以上に進展している項目もあり,全体としては順調である.また,ビーム伝搬法を用いた空間直交振幅変調信号光のホログラム記録・再生・検出シミュレーションにも既に着手しており,H27年度には光学実験と併せて,シミュレーションによっても研究課題の実現へ向けた検討を行う予定である.
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今後の研究の推進方策 |
当初計画予定通りページあたりのシンボル数や強度・位相変調数,ホログラム多重度を増大するべく検討を進めていく.また位相シフト埋め込み法についても複素振幅計測精度の向上を実現すべく研究を進める.H26年度の研究により本研究課題の遂行に必要な基礎技術の実現は概ね達成できており,これを利用して効率よく研究を進展させる予定である.
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次年度使用額が生じた理由 |
研究進捗と参加予定学会日程等の相違により,未使用の成果発表旅費が生じたためである.
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次年度使用額の使用計画 |
H27年度の成果発表旅費として使用する.
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