研究課題/領域番号 |
26820143
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
金子 めぐみ 京都大学, 情報学研究科, 助教 (10595739)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 無線通信 / 無線資源割り当て / M2M / 制御通信システム / 圧縮センシング |
研究実績の概要 |
本研究は,フィードバック制御システムや物と物が通信するM2M(Machine to Machine)システムのための高信頼かつ低遅延の無線通信を実現するプロトコル設計を目的とする.特に,近年,応用数学や信号処理の分野で革命とも言うべき変革を起こしつつある圧縮センシングの技術を取り入れることによって,貴重な無線資源・エネルギー資源の消費量を低減しつつ,信頼性・品質が高く,かつフィードバック制御システムの要求を達成可能な無線通信プロトコル設計を目的とする. 平成26年度はまず,制御通信システムを構成するコントローラと制御対象の間の通信路についてモデル化を行い,通信を実行するために利用可能な通信路情報などについて調べた.更に,作成したモデルにおいて,システムの誤り率や遅延など複数の評価基準に対して特性の解析を検討し,それに基づいて無線資源割当て法を考案した. 無線制御通信システムのトイモデルにおいて,計算機シミュレーションを行い,提案法の妥当性を確認した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成26年度はおおむね計画通り研究を進めることが出来た.以下に具体的に達成された項目を示す. 1.無線制御通信システムのトイモデルを作成:制御通信システムを構成するコントローラと制御対象の間の通信路についてモデル化を行った.また,制御通信の通信要求(誤り率・遅延)や通信を実行するために利用可能な通信路情報などについても詳しく検討した. 2.トイモデルに対する無線資源割当て法の検討:1.で作成したモデルにおいて,システムの誤り率や遅延など複数の評価基準を重視し,解析に基づいた無線資源割当て法を考案した. 3.無線資源割当て法の評価:提案法の特性評価を計算機シミュレーションで行った.その結果,複数の特性基準において,従来法の特性を向上できることが分かった.
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今後の研究の推進方策 |
平成27年度には,現実的な無線制御通信システムのためのプロトコル設計について研究を進める.以下に具体的な項目を示す. 1.現実的な無線制御通信システムのモデル化:実際の制御通信システムで想定される様々なアプリケーションやシナリオを検討し,現実のシステムで求められる要件や通信路・干渉状態を明らかにする. 2.現実的な無線制御通信システムのためのプロトコル設計:複数の実現可能な割当て法を設計し,プロトコルに必要な演算量や通信路情報量なども検討する. 3.プロトコルの評価:提案法・従来法の特性を計算機シミュレーションで評価する.
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次年度使用額が生じた理由 |
平成27年度に26年度に得られた結果を国際会議で発表する予定であり,また,27年度に海外の研究協力者を訪問することになったため,平成27年度の使用額を多くする必要が生じた.
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次年度使用額の使用計画 |
(1)外国旅費:2回研究成果発表と海外共同研究者と打ち合わせを予定(1100千円) (2)その他:学会参加費,及び学術論文誌の別刷り代を予定(250千円)
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