研究課題
本研究では、近年提案されている電力パケット伝送システムについて、ネットワーク化等に向けたシステムデザインとその実装を目指している。現在、これまでアナログで伝送されていた電力をパケット化してディジタル的に電力伝送を行う電力パケット伝送システムが検討されている。研究実施者は、近年の高度化されたICTや、これまでのSiパワーデバイスに比べてスイッチングロスやオン抵抗を大幅に抑えることができるSiCなどのワイドバンドギャップパワーデバイスを用いることによって、実際にプロトタイプを作成しその実現可能性の検証を進めてきた。本研究ではこのシステムのネットワーク化を目指し、課題抽出や実装、その応用の研究を進めてきた。これまで、電力パケット伝送システムネットワークの構築を可能とするルータなどのプロトタイプを作成し、実際に電力パケットのルーティングの実現可能性の実証を進めてきた。ルータ等の各機器を同期させるために、機器間に別途信号線を配し同期を確立してきたが、パケットにプリアンブルを付加することにより、受け取るパケットの周波数に合わせてルータが同期を確立できる仕組みを構築し、非同期電力パケット伝送システムの構築を可能とした。また、電力パケット伝送システムがマネージメントしている電力を自己の駆動電力として使用する機構の構築を行い、その実現可能性の検証を進めた。一方で電力パケットとして離散量子化された電力によって、負荷の所望の通りに動作させるためのアルゴリズム開発を行った。これらの成果の学会発表を行い、論文としてまとめ公表した。
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すべて 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 5件、 謝辞記載あり 5件) 学会発表 (2件) (うち国際学会 1件)
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