研究課題/領域番号 |
26820157
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
神山 和人 大阪大学, 基礎工学研究科, 特任助教 (60447331)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 力計測 / 画像処理 / 計測工学 |
研究実績の概要 |
本研究では1.二次元平面に配置された細胞の平面内3 次元力場計測,2.細胞外周の3 次元 力場計測,に関して検証・実験を行う.これらの実現には1.2.それぞれに対し,下記の課題 に取り組む必要がある.a)多層化2 次元平面内粒子移動情報を用いた3 次元空間力場の導出方法の考案,b)数十nN 程度の微小な力を十分な精度を持って計測可能であるかの検討,c)サブμm のオーダーでのマーカー・粒子配置方法の検討,d)実計測システム及び性能評価環境の構築,である.本年度は,a)についてはPIV(粒子イメージ流速計測法)で用いられている手法の適用可能性について検討した.b)についてはシミュレーションを通し,精度評価を行った.c)についてはMEMS加工によって粒子配置可能な装置を作成し,PDMS(ポリジメチルシロキサン)やゼラチンゲル内に直径10マイクロメートル程度の粒子が配置されたものの作成に成功した.d)については,細胞培養しながら力計測が行えるように,顕微鏡と一定時間間隔で静止画を撮影する系を構築した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2 次元平面に配置された細胞の平面内3 次元力場計測に関する実計測システムの構築という研究目的に対し,MEMS加工されたデバイスを利用して力センシングを行う足場の作成を行ったと共に,実際に足場上で細胞を培養し粒子の変位を画像情報から抽出し力を計算した.以上のように,26年度では研究の目的に対し,計画通り進行している.
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今後の研究の推進方策 |
細胞外周の3 次元力場計測に関し,26 年度の検討結果を受け,性能試算及び実機による評価を進める.また,2 次元平面に配置された細胞の平面内3次元力場計測についても現在1層のみで構成されている計測系の多層化を行い,より正確な力センシングを目指す.粒子配置精度についてもより正確に配置するため,デバイスの改良を進める.
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次年度使用額が生じた理由 |
多層化された粒子層を切り分けて観察するため,顕微鏡に装着するレンズ焦点距離を変化させるピエゾスキャナを購入する計画であったが,1層での計測系の構築を優先し手法の有効性の検証を行い,ピエゾスキャナに必要な性能の見積りを延期したため.
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次年度使用額の使用計画 |
26年度に行った手法の有効性検討の結果を受け,研究に必要なピエゾスキャナの性能見積りを行い.該当する装置を購入する.
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