研究課題/領域番号 |
26820170
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研究機関 | 甲南大学 |
研究代表者 |
梅谷 智弘 甲南大学, 知能情報学部, 准教授 (10397630)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | モデリング / 空間計測 / 無線LAN / 物体認識 / 三次元認識 / RGBDセンサ |
研究実績の概要 |
平成26年度では,状況に応じて構造化された情報を呈示できる作業支援環境を構築するために,実空間での状況を考慮した物体の三次元モデルの生成,および,モデルの再生や呈示に必要なアンビエント情報のモデル化,モデルの再生技術に関する研究を実施した.特に,先行して,物体モデルの生成,および,アンビエント情報のモデル化を中心に研究開発を行った. 物体の三次元モデルの生成では,背景情報によらない物体モデルの切り出し,および,距離画像とカラー画像とを統合した,色情報を持つ距離データに基づく局所特徴を適用した作業対象物体のモデル化を行った.実験により物体モデルの生成が行えていること,また,認識や呈示などへの展開可能性を示した. アンビエント情報のモデル化では,画像と距離データを利用した三次元の地図生成手法の検討,および,無線LAN信号強度に着目した屋内空間での状態変化検出手法の検討を行った.画像と距離データを利用した三次元の地図生成ではRGBDセンサを用いて屋外環境でのモデル化を検討した.無線LAN信号強度を利用した環境の状態変化検出では,特異スペクトル変換により,環境の状態変化を検出の可能性,および,センサネットワーク環境での適用の可能性を見出した. モデルの再生技術に関しては,物体三次元モデルを用いた認識および三次元位置姿勢推定手法を開発し,モデル生成の可能性と合わせて検証した. これらの研究開発をとおして,対象物のモデリング,空間のモデリング,モデル化した対象物の認識・再生に関するシステム統合を実現した.それぞれの項目に関して,論文などの形で発表している.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究では,物体の三次元モデルの生成,アンビエント情報のモデル化,物体の三次元モデルの認識,呈示を目的としている.平成26年度では,物体の三次元モデルの生成,および,アンビエント情報のモデル化を先行して行うこととしていた. 物体の三次元モデルの生成では,三次元モデルの認識,呈示実験を行えるモデルの作成が行えることを確認している.アンビエント情報のモデル化では,呈示に必要な空間情報を得る実験により可能性を検証している.また,モデルの呈示では,呈示に必要な物体の認識,位置推定の可能性を示している. 上記の点から,研究の目的に掲げた項目に関する成果が,それぞれの項目から得られているため,おおむね順調に進展していると判断する.
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今後の研究の推進方策 |
平成27年度では,平成26年度で得られた結果で精度の向上を図り,年度後半では,システム統合およびその評価を中心に研究開発を行う. アンビエント情報のモデル化では,屋外環境の計測,三次元地図生成を推進し,作業支援に用いるためのアンビエント情報収集手法を検討する. 各要素技術での性能向上とともに,システム統合を行い,作業空間内での物体認識,作業支援アプリケーションの開発を行う.
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次年度使用額が生じた理由 |
当初予定より,実験補助者への謝金支出が少なくなったこと,および,物品費について,購入物品の見直しを行ったため,次年度使用額が生じている.
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次年度使用額の使用計画 |
アンビエント情報を得るためのセンサ系の構築,および,検証のために必要となる設備に用いる.また,研究開発を推進させるための実験補助者,協力者への謝金を支出する.あわせて,成果発表のための旅費や印刷費に使用する.
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