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2014 年度 実施状況報告書

未利用のCa・Mg・Si系副産物を用いた環境配慮型一万年耐久コンクリートの開発

研究課題

研究課題/領域番号 26820176
研究機関新潟大学

研究代表者

斎藤 豪  新潟大学, 自然科学系, 准教授 (90452010)

研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2016-03-31
キーワードCa-Mg-Si 系材料 / オートクレーブ養生 / トバモライト / ケイ酸カルシウムマグネシウム水和物 / Ca/Si比 / 29Si-NMR / FT-IR / 耐硫酸塩性
研究実績の概要

本年度は、Ca-Mg-Si系材料(Mg系材料)を用いた配合および水セメント比を,結晶性トバモライトをはじめとした水和生成物解析をもとに検討すること(2)地中コンクリートにおいて特に問題となっている,硫酸塩,硫酸に対する耐久性試験を実施し,外部劣化因子(SO42-等)の浸透性状に及ぼす影響を,生成物(結晶性トバモライトおよび二次生成物)や空隙構造と関連付けて考察することを目的とし、検討を行った。供試体はOPCをMg系材料で0、10、20、30、40mass%置換した石灰質材料(OPC+Mg系材料)とケイ石微粉末とを5:5の割合で混合し、水粉体比(W/(OPC+Q))を0.5として一定条件で練り混ぜ、打設後、20℃で湿空養生を行い、材齢1日で脱型し、速やかに180℃、1MPaの条件下にて8時間のAC養生を実施した。主な実験項目として、水和生成物解析にはXRDを、結晶相以外の水和物の分析については、FT-IRおよび29Si NMRによって、試料中に生成するトバモライトやC-S-Hゲルを構成しているシリケートイオンの結合状態を測定した。その結果、アケルマナイトはAC養生下で反応性を示し、Mg型トバモライトやケイ酸カルシウムマグネシウム水和物などの生成に寄与したことがわかった。またXRDによる水和反応解析、FT-IRおよび29Si NMRの結果を総合すると、アケルマナイト置換およびAC養生による耐硫酸塩性向上の要因は、低置換率においてはMg型を含むトバモライトが多量に生成したことにより、高置換率においてはトバモライト構造を維持しつつ、重合度が高いシリケート鎖を有した低C/S比のケイ酸カルシウムマグネシウム水和物等が生成したことによるものと考察した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

目的の通りに分析が実施できており、困難と思われた29Si-NMRによる分析も予定通り行えたため

今後の研究の推進方策

27年度は、実暴露データの解析をメインとし、実際のMg系材料を用いて実験室および実際の温泉地での耐久性試験を行うことにより,化学的に安定な結晶性トバモライトを含み,外部劣化因子に対する抵抗性を飛躍的に向上させた,「経済的かつ環境性にも優れた「一万年耐久コンクリート」の提案を行う.具体的には、草津温泉西の河原にて屋外暴露試験を行い,外観変化観察,重さ変化を随時実施していく.26年度とと同様の方法で化学分析(XRD,FT-IR等)を行い,空隙構造と併せて,硫酸イオンの浸透性状(抑制メカニズム)を定量的かつ総合的に評価し,実験室のデータと比較検討する.

次年度使用額が生じた理由

薬品・学会旅費・供試体輸送費等、次年度に使用を回したいと考えたため。

次年度使用額の使用計画

前年度に使用しなかった、薬品・学会旅費・供試体輸送費等に残りを使用する。

  • 研究成果

    (8件)

すべて 2014

すべて 雑誌論文 (6件) (うち査読あり 5件、 オープンアクセス 6件) 学会発表 (1件) 産業財産権 (1件)

  • [雑誌論文] Ca-Mg-Si 系材料を混和しオートクレブ養生したセメン系材料の水和反応解析および硫酸塩劣化抑制機構関する研究2014

    • 著者名/発表者名
      斎藤豪,高橋一誠,佐伯竜彦,菊地道生
    • 雑誌名

      Cement Sci. and Concrete Tech.

      巻: 68 ページ: 2-9

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] エトリンガイトの生成量および生成起源が長期間硫酸塩に浸漬した高炉セメント系材料の耐硫酸塩性に及ぼす影響2014

    • 著者名/発表者名
      佐藤賢之介,斎藤豪,佐伯竜彦,菊地道生
    • 雑誌名

      Cement Sci. and Concrete Tech.

      巻: 68 ページ: 396-403

    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] 電気泳動法における塩化物イオン移動性状に対して電気浸透流が及ぼす影響2014

    • 著者名/発表者名
      菊地道生,金沢貴良,佐伯竜彦,斎藤豪
    • 雑誌名

      Cement Sci. and Concrete Tech.

      巻: 68 ページ: 360-366

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] 各種シリカフュームを用いたセメント系硬化体の塩分浸透抵抗性2014

    • 著者名/発表者名
      佐伯 竜彦, 真島 耕平, 菊地 道生,斎藤豪
    • 雑誌名

      Cement Sci. and Concrete Tech.

      巻: 68 ページ: 352-359

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] 海水練りセメントペースト供試体の水和反応解析2014

    • 著者名/発表者名
      斎藤豪, 菊地道生, 多田直央, 佐伯竜彦
    • 雑誌名

      J.Soc.Inorganic.Materials

      巻: 21-371 ページ: 231-241

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] C-S-Hの組成がゲル空隙の量およびゲル空隙の空隙径分布に及ぼす影響2014

    • 著者名/発表者名
      須田裕哉,佐伯竜彦,斎藤豪
    • 雑誌名

      土木学会論文集E2

      巻: 70-2 ページ: 134-152

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] オートクレーブ養生したCa-Mg-Si系セメント硬化体の水和反応解析2014

    • 著者名/発表者名
      高橋 一誠、斎藤豪
    • 学会等名
      セメント技術大会
    • 発表場所
      ホテルメトロポリタン(東京都豊島区)
    • 年月日
      2014-05-13 – 2014-05-15
  • [産業財産権] ケイ酸カルシウム水和物を含有する成形体の製造方法及び成形体2014

    • 発明者名
      斎藤豪
    • 権利者名
      斎藤豪
    • 産業財産権種類
      特許
    • 産業財産権番号
      特願2014-78906
    • 出願年月日
      2014-04-07

URL: 

公開日: 2016-06-01  

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