本研究では,3.11の地震で被害のあった新幹線高架橋上のPC製電車線柱の耐震性能を精度よく評価するため,電車線・電線,調整桁などまで考慮した高架橋・電車線柱の三次元連成系骨組みモデルを構築し,地震応答解析により各構造要素間の連成の影響や動的特性を明らかにした.その上で,既存のPC製電車線柱の大規模地震対策として,現行対策である高靭性化補強および鋼管ビームによる門型化,今回新たに提案したTMDによる震動制御について,連成系モデルによる機能評価,費用,施工,メンテナンスなどの側面から多角的に比較検討し,相対的に安価で機能性や施工性に優れたTMDによる震動制御の優位性を示した.
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