複雑な三次元形状を有する鋼橋の溶接部に対し,残留応力の低減により疲労寿命を向上させることを目的とし,小型で簡易な熱源を用いて現場で施工できる局所熱処理技術の開発を目指し検討を実施している. 26年度は,鋼橋の溶接部をモデル化した実験供試体を作製し,簡易熱源を用いて熱処理実験を行うと共に,実験を非定常熱伝導・熱弾塑性解析によりシミュレーションする手法を構築した.鋼橋において疲労き裂の発生事例が多い閉断面補剛材を有する床版構造を対象に,閉断面の外側から熱処理が行えることを熱伝導解析により確認した.また,実験と熱弾塑性解析によるシミュレーションにより,溶接部の残留応力が低減される効果を示した.
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