研究課題/領域番号 |
26820185
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
出水 享 長崎大学, 工学研究科, 技術職員 (00533308)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | コンクリート / 塩害 / PC鋼材 / 長寿命化 / メンテナンス / デジタル画像相関法 / 応力解放法 / プレストレス |
研究実績の概要 |
研究代表者らはPC構造物の維持管理のため、部分的にスリット切削後、応力解放ひずみをスキャナタイプ光学的全視野ひずみ計測装置(スキャナ装置)により計測し、現有作用応力を測定する手法であるスリット応力解放法を開発している。スリット応力解放法は、今までに数多くの現場で使用され必要性・有効性は確認されているが、新しい光学的全視野ひずみ計測装置の開発、多様な構造物への適用など新たな要求が生じてきた。 本年度は、イメージセンサを搭載した光学的全視野ひずみ計測装置(カメラ装置)の開発ならびにカメラ装置を用いたスリット応力解放法の精度の確認を行った。詳細を以下に示す。 ・イメージセンサを搭載した光学的全視野ひずみ計測装置を製作するために、CCD・CMOSカメラ装置を2台組み合わせた3次元カメラ装置の開発を行った。2台のカメラを用いた同期計測が可能なプログラムの構築を行うとともに計測した画像からひずみ算出するためのプログラムを構築した。構築プログラムは3次元計測を実施するための2台のカメラの位置合わせやレンズ収差を除去するプログラムも含まれている。 ・カメラ装置の計測精度の確認・精度向上を行った。画像ノイズを低減させて、ひずみ計測精度を向上させるための画像処理法である加算平均処理法、マルチロゼット解析法の適用について検討を行うとともに、鋼部材、コンクリート部材を用いたひずみ計測精度の検証を行った。結果としてひずみゲージと同等レベルの計測精度が確認できた。 ・カメラ装置を用いたスリット応力解放法の検討を行うためにコンクリートで角柱試験体を用いて、一軸圧縮試験機により数パターンの圧縮応力に対して現有作用応力の計測精度の検討を行った結果、精度よく測定できることが確認された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究実績の概要にあるように,当初予定していたイメージセンサを搭載した光学的全視野ひずみ計測装置の開発、その装置を用いたスリット応力解放法の精度の確認が実施できたため,順調に進展している。 そのため,「(2)おおむね順調に進展している。」と判断した。
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今後の研究の推進方策 |
今後は曲率がある構造部材へ適用するために以下の4項目について研究を実施する。 ①曲率構造物に適用するための解析モデルの構築:曲率を変化させたコンクリート部材のFEMモデルを作成し応力解放のパラメトリック解析を実施し解放ひずみを計算する。曲率と解放ひずみの関係を算出し調査箇所の曲率と計測結果(解放ひずみ)の情報から現有作用応力を算出できプロラムを構築する。 ②カメラ装置専用の計測治具の開発:カメラ装置を現場で用いるための計測治具の開発を行う。治具はコンクリートにアンカーで固定させる。また、2台のカメラの間隔や測定面までの距離・角度を微調整できるようにする。現場に簡単に持ち運びができるような重さ(約10kg)にする。 ③曲率面用のスリット切削器具の開発:現在の切削器具を改良して曲率面に対して深さが一定でかつ一直線に切削できる器具の開発を行う。 ④試験体による精度検証、現場適用性の検討・改善:コンクリート円柱を用いて、一軸圧縮試験機により数パターンの圧縮応力に対してカメラ装置を用いたスリット応力解放法の計測精度の検証を行う。撤去されたPC構造物等を用いてスリット応力解放法の実験を行い、開発手法の作業性について検討し、問題点の抽出を行い改善をはかる。
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次年度使用額が生じた理由 |
画像解析プログラムの構築、各種実験に時間を要し、予定していたカメラの購入に至らなかったため。
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次年度使用額の使用計画 |
今年度に高性能のカメラが販売されることから今年度に購入する。
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