研究課題/領域番号 |
26820188
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研究機関 | 独立行政法人理化学研究所 |
研究代表者 |
大谷 英之 独立行政法人理化学研究所, 計算科学研究機構, 特別研究員 (80639584)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 地理空間情報 / 関連付け / 自動構築 |
研究実績の概要 |
大型並列計算機により,都市全域の災害シミュレーションが可能となりつつある.このシミュレーションに必要な都市モデルの構築は,膨大な数の構造物に対応するため自動化が重要であるが,有力な情報源となる2次元及び3次元の地図情報の多くは,線分や多角形面,文字列などの地図情報の要素の配置を人間が目で見て理解するものであり,要素間の関連付けをデータとして持たないために自動処理ができない.本研究の目的は,既存の地図情報の活用を意図し,地図情報の要素間の関連付けを位置情報に基づいて自動構築する技術を開発することである.平成26年度は,3次元地図と地番参考図を対象に,地図情報の要素間の関連付け自動構築技術の開発を実施した. 3次元地図に対しては,独立した多角形面の集合から建物一棟一棟の外形を表す多角形を選び出し,選ばれた多角形集合から頂点同士の接続情報をもった形状モデルを自動構築する手法を開発した.そして,その手法のアルゴリズムを抽象化し,処理過程の整理・把握を行った. 地番参考図に対しては,ベクター形式で記録された図から線と文字列の集合を属性情報付きで抽出し,3次元地図に対して開発した手法を援用することで,地番区画の境界線で囲まれた領域を抽出する頑強な手法を開発した.さらに,抽出した領域を,位置情報を基にして,地番文字列と引き出し線に関連付けるアルゴリズムを開発した.これにより,地番参考図から,地番が紐づけられた地番区画を自動抽出することが可能となった.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究では,地図情報の要素間の関連付けを自動構築する汎用的技術の開発を進めるにあたり,まず、二種類の地図情報に対する要素間の関連付け自動構築手法を開発し,それぞれを分析・整理して体系化する手順をとっている.H26年度は,当初の計画の通り,二種類の地図情報に対して要素間の関連付け自動構築手法を開発することができている.
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今後の研究の推進方策 |
平成27年度は,当初の計画の通り,二種類の地図情報に対する要素間の関連付け自動構築手法を分析・整理し,体系化を行う.
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次年度使用額が生じた理由 |
当初の学会参加計画を変更し,旅費に余剰が発生したため.
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次年度使用額の使用計画 |
主に研究成果発表のための旅費として使用する予定である.
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