2007年の中越沖地震後に観測された柏崎市の地盤沈下は,地下水位の低下による沈下とは異なり,地下水位の変動とは相関のないことが明らかになっており,既往の研究の成果から,地震時に発生した過剰間隙水圧の長期消散挙動が主要因と結論付けていた.しかし,現地観測結果との整合性が十分でないことから,追加の現地調査により過剰間隙水圧の残留状況および粘性土の土質定数の連続的把握を行い,数値解析の精度向上および種々の条件に対する沈下挙動への影響を調査した.また,圧密沈下挙動の機構として,構造の低位化による圧縮軟化現象に着目し,繰返し三軸試験と遠心模型事件の成果を通じて,圧縮軟化現象発生の可能性を精査した.
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