平成26年3月および平成27年3月に実施されたピーク流量100m3/sのフラッシュ放流を対象として,現地計測を行った.本研究で開発したさまざまな粒径の河床礫がどこで,どれくらい移動しているかを実測する方法を利用するとともに,付着藻類の剥離状況の調査を実施した.平成27年3月については,藻類剥離の高い効率が期待できる中礫を,河道内に設置する置き土砂と,放流中に河道内に投入する土砂投入を試行した.設置した土砂の放流中の移動はきわめて限定的であり,多くの土砂が直径10cm程度の大礫の間に捕捉された状態で残存していた.したがって,対象区間での中小出水時の藻類の剥離への中礫の寄与は少ないことがわかった.
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