研究課題/領域番号 |
26820206
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研究機関 | 防衛大学校(総合教育学群、人文社会科学群、応用科学群、電気情報学群及びシステム工 |
研究代表者 |
鴫原 良典 防衛大学校(総合教育学群、人文社会科学群、応用科学群、電気情報学群及びシステム工, システム工学群, 助教 (90532804)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 津波 / 数値解析 / 有限差分法 / 有限体積法 |
研究実績の概要 |
本研究課題は、実務等で使用される津波数値モデルの高度化を目指し、有限差分法(FDM)で計算する外洋伝播域と陸上遡上域の間に非構造格子で構成された接続領域を設け有限体積法(FVM)で解くハイブリッド型津波数値モデルを開発することを目的としている。 平成26年度は、非線形分散波理論に基づく非構造格子FVMプログラムの検討を行った。既開発の浅水理論によるFVMモデルを基にして、新たにポテンシャル法による分散項の導入を試み、モデルの定式化を行った。本モデルを理論解や既往のベンチマーク実験の結果と比較し、津波伝播による分散性の発生を良好に再現可能であることを確認した。 次に、構造格子FDMモデルと非構造格子FVMモデルの接続手法の開発を試みた。当初、両者の接続は、既往の浅水理論の手法をそのまま利用することで比較的容易に完成すると考えられたが、非構造格子FVMモデルを定式化する際に変数の定義等を一新したため、新たな接続アルゴリズムを開発した。同手法を実験ベンチマークの再現計算に適用したが、現段階では接続領域において計算の不安定性が見られるため、今後も継続して検討を行う必要がある。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
平成26年度は、非線形分散波理論の非構造格子FVMプログラムの開発を行い、さらに当該年度中にFDMプログラムとFVMプログラムの接続手法の開発を完了する予定であったが、同手法のテスト計算を行ったところ不安定な挙動を示す場合があり、未だ問題解決に至っていない。接続域付近における非構造格子の格子サイズの設定等が原因と考えられ、問題解決に向けて検討中する。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、平成26年度に達成できなかったFDM・FVMの接続手法の完成を目指す。ベンチマーク実験において適用し、再現精度が十分であると判断した上で、実地計算への適用(2011年東北地方太平洋沖地震津波の再現計算)に着手する。
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次年度使用額が生じた理由 |
予定していた研究打ち合わせの回数が少なくなったことや、 電算機用消耗品の購入が当初予定よりも少なく済んだため。
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次年度使用額の使用計画 |
今年度残高は旅費での使用を予定している。
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