研究課題
助言型ISAに対する挙動面での受容性を分析するため,平成26年度は20~48歳の被験者20名を対象とした5ヶ月間の助言型ISAフィールド実験(第1期)を実施した.平成27年度は,さらに詳細な分析を行うため,65歳以上の高齢者20名を含む28名を新たな被験者として,同様の助言型ISAフィールド実験(第2期)を実施した.第1期のデータと併せて分析した結果,助言型ISAにより,ゾーン30区間および狭幅員道路(速度規制が無い幅員5.5m未満道路)において,速度30km/h遵守率(遵守距離割合)が10%程度向上し,ゾーン30ではない30km/h規制道路では15%程度遵守率が向上したことから,生活道路を対象とした助言型ISAに対する一定の受容性が確認された.また,速度遵守率について非高齢者と高齢者との比較を行ったところ,通常時(助言型ISA適用前)では高齢者の方が遵守率が5%程度高いのに対し,助言型ISAを適用すると両者間で遵守率が同程度(80%程度)になったことから,生活道路を対象とした助言型ISAによる速度遵守率には一定の上限がある可能性が示唆された.次に,金銭的インセンティブ施策が各種ISAの搭載受容性に与える影響を分析するため,第1期被験者に対して実施したSP質問調査と同様の調査を第2期の被験者にも実施した.加えて第2期の被験者には,ISA普及率が搭載受容性に与える影響を分析するためのSP質問調査を実施した.第1期,第2期の回答結果を併せて分析した結果,高齢者の方が搭載受容性が高いことが分かり,また生活道路のみを対象とした生活道路のみを対象とした自発型(解除可能型)ISAであれば,年間15,000円のインセンティブにより搭載需要率が70%(高齢者は80%)を超えることが示された.また,ISA普及率が高くなるにつれて搭載受容性も高くなることが分かり,ある程度普及が進めば普及率が指数関数的に上昇する可能性が示唆された.
すべて 2016 2015 その他
すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 謝辞記載あり 2件) 学会発表 (7件) (うち国際学会 1件) 備考 (1件)
交通工学論文集
巻: 2(2 特集号A) ページ: A_108-A_114
http://doi.org/10.14954/jste.2.2_A_108
Journal of the Eastern Asia Society for Transportation Studies
巻: 11 ページ: 2098-2109
http://doi.org/10.11175/easts.11.2098
https://sites.google.com/site/trlabotut/research