視覚障害者は移動支援ツールの導入が行き届かない生活道路での移動の際にしばしば危険と困難を覚えている。これまで交通安全施設を活用した視覚障害者の移動支援手法の有用性が示されているが、実道路への適用にあたっては、安全性確保の本来の目的が損なわれないよう慎重に検証する必要がある。 本研究では全盲者の無信号交差点の横断を支援するためのドットラインへの突起取り付けについて、模擬交差点において車いす通過時に与えられる振動の影響を考察した。その結果、エスコートゾーンと同様の突起では車いす利用者の安全性と快適性に問題が生じる懸念があり、ドットの配置や突起高についてさらなる検討が重要であることが示された。
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