水中には疫学的な特徴の異なる複数のノロウイルス遺伝子型が共存している.特定の遺伝子型の特異的な検出・定量により,水系感染リスクや疫学的特性について新たな知見が得られると考えられる.本研究では新規遺伝子定量手法であるデジタルPCRを用い,水中ノロウイルスについて「総濃度」および「特定の遺伝子型の濃度」を同時に計測可能な手法の構築を目指した. 国内の水試料を継続的に収集,分析し,流行遺伝子型を特定し,これらに特異的な蛍光プローブを設計した.本プローブはReal-time PCRでは良好に機能したが,デジタルPCRにおいては非特異シグナルが生じたため,反応条件等の詳細な検討が必要となると考えられた.
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