研究課題/領域番号 |
26820225
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研究機関 | 独立行政法人土木研究所 |
研究代表者 |
對馬 育夫 独立行政法人土木研究所, その他部局等, 研究員 (50462487)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 水処理 / 窒素除去 / Anammox / N2O / 次世代シーケンサー |
研究実績の概要 |
本研究は、下・廃水処理において高効率・省エネルギー型の新規窒素除去プロセスとして注目される嫌気性アンモニア酸化(Anammox)プロセスの実用化に向けた研究で、次世代シーケンサーを用いて、これまでAnammox細菌の存在が確認されていない環境にも焦点を当て、未知のAnammox細菌に着目しつつ、地球温暖化抑制型のリアクター構築を目指したN2O分解触媒搭載型環境負荷低減Anammoxリアクター(ラボスケール)の開発を目指すものである。平成26年度は、様々な環境からのAnammox細菌の同定、定量を行った。実験に供した試料は、下水処理場活性汚泥(標準法、高度処理法(修正Berdenpho法、MBR法)、OD法、高度OD法)、下水処理場メタン発酵槽消化汚泥、富栄養化型湖沼底質、窒素飽和した渓流河川底質、畜産排水が畑を介して混入していると思われるアンモニア性窒素濃度が非常に高い河川底質、水田土壌、蓮田土壌の計21検体である。その結果、海洋性のAnammox細菌として知られているCandidatus Scalinduaが0.06%-2.0%検出された。最も多く検出されたのは、富栄養化湖底質で、次いで、窒素飽和渓流底質、アンモニア性窒素が非常に高い河川底質であった。また、高度処理OD法を除く下水処理場汚泥からの検出は非常に少なかった。また、Candidatus Brocadiaについても同様の傾向を示し、調査したほとんどの下水処理場汚泥1リードも検出されなかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
H26年度は当初計画通り、由来の異なる様々な試料からAnammox細菌の同定・定量を行うことができた。今年度、農業集落排水処理施設から汚泥を受け取ることができるようになったため、当初計画に一部追加して、それらの汚泥からもAnammox細菌の同定・定量を試みる予定である。
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今後の研究の推進方策 |
今後はラボスケール型のN2O排出用削減型のAnammoxリアクターを立ち上げる予定である。植種源の異なる複数のAnammoxリアクターを立ち上げ、運転を試みると同時に次世代シーケンサーを用いた菌叢解析を行う予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
予定していた物品の在庫がないため、発注が遅れているため。
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次年度使用額の使用計画 |
在庫確認ができ次第、予定通り発注する。
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