熱的健康被害の防止に寄与すべく,体温だけでなく血流量や血圧の予測も可能な新たな数値人体モデルの開発と,リファレンスデータ収集のための生理量測定実験を行った。生理量測定実験では,室温・姿勢が異なる9条件について体温・血圧・血流量などの測定を行い,加えて,被験者の体格の違いによる影響についても観察した。数値人体モデルは,物理モデルと生理モデルより構成され,物理モデルは熱回路網モデル(伝熱解析)と循環系モデル(流体解析)より構成される仕様とした。本研究では特に熱回路網モデルと循環系モデルの開発を実施し,これらのモデルによって生理量測定実験を概ね再現できることを確認した。
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