研究課題/領域番号 |
26820246
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研究機関 | 一般財団法人小林理学研究所 |
研究代表者 |
横山 栄 一般財団法人小林理学研究所, その他部局等, 研究員 (80512011)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 実験室実験 / 音場シミュレーション / 低周波音 / 心理評価 / 解析・評価 |
研究実績の概要 |
平成27年度は、風力発電施設から発せられた騒音が居室内に伝達して及ぼす心理的影響を検討するために、低周波性騒音が一般の住居内に伝達する際の周波数領域の伝達特性をモデル化し、屋外で収録した風車騒音およびその特徴をモデル化したノイズを用いて音響実験室内に居室内における音環境を再現することを試みた。この再現音場において、特に風車騒音に含まれる低周波音領域の純音成分が及ぼす心理的影響について、純音成分の可聴性およびアノイアンス(うるささ)に着目した検討を試みた。また、並行して、これまでに日本全国の風力発電施設周辺で収録されたデータを用いて純音成分に関する物理的な分析・評価手法についても検討し、また、現状の規格改正等の動向を把握した。諸外国のガイドラインにおける純音成分に対するペナルティの可否等も調査し、これらの結果から日本の風車騒音の評価において純音成分が検出された際のペナルティの可否を検討した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
国際的な研究動向に照らし、評価手法の見直し、追加検討を行ったため、平成27年度内に計画した全ての評価実験を実施することはできなかったが、風車騒音が及ぼす心理的影響に関する科学的知見は蓄積できており、また、研究成果も学会や論文誌への投稿等によって公表できており、概ね順調に進展していると言える。
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今後の研究の推進方策 |
引き続き、実験室実験によって、低周波音成分を含む風車騒音が及ぼす心理的影響を検討し、日本における風車騒音の評価手法の確立に資する知見を蓄積する。また、これまでの研究成果を国内外の学会発表等で公表し、論文誌に投稿することで、風力発電施設から発せられる騒音に関する規制基準の策定に資する科学的知見を蓄積する。また、海外動向も把握し、さらに先進諸外国の研究者と交流を諮り、様々な意見を聞くことで、検討方針を柔軟に検討していく。
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次年度使用額が生じた理由 |
国際的な研究動向に照らし、評価手法の見直し等を行ったため、平成27年度内に計画した評価実験を実施することができなかったため、物品費、被験者謝金の支出がなく、次年度に期間を延長して、引き続き、同テーマで研究を遂行することとした。
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次年度使用額の使用計画 |
当初計画していたフィールド調査は、これまでに収録されたデータを用いた検討で充分であると判断でき、延長した期間については、実験室実験による評価実験を中心に検討を進める計画で、研究予算は、評価実験を実施する際の被験者謝金、および国際学会での研究成果の公表、論文投稿に充当する予定をしている。
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