現代的な住宅の問題として、住まいを起点したコミュニティは、家族世帯がある一定の期間定住し形成されることを前提としており、非家族世帯の視点に欠けている。本研究では、日本における自主運営型のシェアハウスと、ドイツの多世代交流施設(MGH)を対象に、地域社会における新しい居住スタイルのあり方や空間の使われ方を探求することをも目的としている。その結果、自主運営型のシェアハウスでは、立地によって異なる役割を持つこと、職住や世代などの混在のきっかけを担っていること、MGHでは、プログラムやワンストップ機能を持つカフェを橋渡しとする動線計画により、自然な形での多世代交流場面創出が行われていることを示した。
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