東南アジア諸国では、「ブループリント型都市計画」から「まちづくり型都市計画」へと舵を切りつつあり、国内外の期待も大きい。本研究は、東南アジア諸国における「まちづくり型都市計画」の展開過程を明らかにし、その課題と展望を体系的に論じることを目的としたものである。具体的には、(1)事例対象国・都市の位置付け:東南アジア諸国におけるまちづくり型都市計画に関する国内的・国際的な論調の整理と現在の制度的・政策的枠組みの類型化、(2)事例調査:インドネシア、フィリピン、タイにおけるまちづくり型都市計画の展開過程の解明、(3)研究総括:東南アジア諸国におけるまちづくり型都市計画の課題と展望の体系的考察、を内容としている。 最終年度は、これまでの研究成果などに鑑みつつ、「まちづくり型都市計画」の制度的・政策的枠組みという点ではやや特殊性を有しつつも、「まちづくり型都市計画」に向けた邦画的事例が見られるベトナム・タインホア省を事例とした調査などを実施し、今後の研究の展開に向けた有益な示唆を得た。その成果は17th Conference of the Science Council of Asiaなどにおいて発表した。 なお、本研究全体の成果は、「都市計画論文集」や「Urban and Regional Planning Review」、「人と国土21」、「地域開発」などにおいて論文等として公表したり、「AASSA-SCJ Workshop on "Role of Science for Inclusive Society"」、「第51回日本都市計画学会学術研究論文発表会」などにおいて口頭発表を行った。
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