研究課題/領域番号 |
26820260
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
牛島 朗 山口大学, 理工学研究科, 助教 (40625943)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 集落計画 / 干拓事業 / 新田村 / 営農環境 / 土地分配 / 開発主体 |
研究実績の概要 |
研究の初年度となる本年度は,対象としている新田開発に関するデータベース構築に向けた資料収集・整理とともに,次年度以降実施する現地調査に向けた各自治体担当者及び地域居住者との協力体制構築を行っている。 具体的には,全国的な新田開発に関する資料について文献資料等を収集するとともに,沿岸干拓事業が中心的に実施された西日本地域,特に中国地方及び九州地方の代表的な干拓地である児島湾沿岸,有明海沿岸に面する自治体関連資料,国土交通省の所管する地理データ,そして歴史的な絵図・文献資料等詳細な情報を収集し,GISソフト等を用いて今後デジタルデータとして活用可能な形での編集を試みている。 また,自身がこれまで研究に取り組んできた有明海沿岸地域に加え,児島湾岸地域での現地調査に向け,各地域の行政担当者及び地域の代表者に直接,研究の目的や内容等を説明し,今後の調査に向けた協力体制構築を行っている。 これらの成果は,自身が今後行う現地調査の際に,地域の実態や営農環境等の円滑な把握,個人の生活空間に及ぶ建築学的な視点からの測量等を実施する上で,前提として必要な行程であり,対象地との信頼関係構築の上で重要な作業である。 さらに,本年度の作業を通して,新田開発プロセスに明確な地域的差異が生じている事が明らかとなっており,今後それらの情報を比較可能な形でデータ化を行い,地理的条件,歴史的背景,営農システム等の多領域に及ぶ諸条件との対応関係から分析を加え,研究発表等の機会を通じて成果の試みる計画である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
沿岸干拓地に関連する基礎資料収集に関しては,関係者の協力の下,当初予定していた内容について円滑に収集が実施出来ている。 ただし,営農実態に関しては,農作業の年間スケジュールにもとづき,通年での情報収集が必要であるとともに,単年度の情報が対象地域の営農状況を端的に示すものかどうか,今後の継続した調査を行う過程において検証可能となるものと考えている。
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今後の研究の推進方策 |
今後の研究においては,初年度に得られた情報をもとに詳細な現地調査を実施予定である。その際,地域の環境がどのように変化し現在に至っているのかに関して,地域居住者の協力の下,実測調査やヒアリング作業等を実施することで,村落単位での空間構造を明らかにし,地域毎の特徴を明確に整理する予定である。
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