本研究では、家庭養護のひとつである里親ファミリーホーム(以下FHと略す)の空間的特徴および生活実態の全国的傾向を捉えるためにアンケート調査を実施した。調査は全国216のFHを対象とし、107ホームの回答を得た。その結果、養育者が所有する戸建住宅で委託児童4名から6名を養育しているFHが多い実態が把握できた一方で、改修せずに開設する割合も高く一般的な住宅性能のなかで多人数が暮らす状況や、養育者の高齢化や実親との関係性にともなう課題もみられた。また、FHに必要な空間として居住者が揃って食事のできる空間や委託児童の自立と養育者との心的距離を考慮した子ども部屋の整備が重要であることが明らかになった。
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