本研究は戦後台湾都市集合住宅における住民の生活様式を解明するものである。本研究は政府公文書や雑誌記事を利用した文献調査、および南機場アパートメントの住民のライフストーリーや日常生活と空間使用方法の聞き取りを通して、公営住宅の中に、設計者により、住民がそこで生計を立てることができるよう「市場」が設けられた他、住民により、住空間の不足という問題を克服するため「総舗」、「半楼仔」を設け、宗教施設でありつつコミュニケーションの場としての性質も帯びた「廟」を建立されたことが明らかになった。これは、台湾人の都市住宅に「日本」や「中華」など多元的な文化が「移植」されたものであると見なすことができよう。
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