ローンペア電子を有する2価Snを含む酸化物は,これまでに合成報告が少なく電気伝導性に関する情報も限られているが,SnOで報告されているように両極電気伝導性を呈する系も存在する.本研究では,ローンペア電子が作るユニークな2価Sn配位環境に着目し,Sn2TiO4,SnNb2O6など2価Sn複合酸化物の薄膜合成および電気伝導性評価と原子・電子構造との相関を評価した.その結果,同じ2価Snイオンであっても,複合酸化物におけるイオンの組み合わせによっては,伝導キャリアを補償する欠陥の生成挙動が異なり,電気伝導性に大きく影響していることが判明した.
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