第一原理非調和格子力学計算を用いて多様な結晶系のフォノン間相互作用強度、フォノン緩和時間、格子熱伝導率を計算した。閃亜鉛鉱型、ウルツ鉱型、岩塩型構造の101種類の結晶に対して系統的に格子熱伝導計算を行った。多数の結晶のフォノン状態を調べることで、フォノン間の非常に繊細で複雑な相互作用によってフォノンの生存時間が決まっていることがわかったが、同時に格子熱伝導率の予測の難しさも示された。一方、計算から得られた熱伝導率の値と元素などからなる情報を元に機械学習を用いて低格子熱伝導率材料うまく予測することができた。これは化学結合の観点から格子熱伝導率を理解するための研究が今後必要であること示唆している。
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