本研究は、多層グラフェンの巨大な磁化率異方性を付与した複合粒子を用いた、革新的低磁場(ネオジム磁石級、0.5~1T)による結晶配向セラミックスの開発を目的とした。母粒子とする材料は、六角柱状のβ窒化ケイ素(β-Si3N4)とした。また、汎用性検証のために板状の六方晶窒化ホウ素(h-BN)、基礎現象解明のためのモデル材料として円柱状のガラスファイバー(GF)を用いた。結果、機械的処理で多層グラフェン被覆、磁場中配向制御を達成した。さらにc軸配向Si3N4セラミックス、a軸配向h-BN樹脂コンポジットの作製も達成した。また複合粒子の配向に寄与する実質的な磁化率異方性の大きさを定量的に見積もった。
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