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2014 年度 実施状況報告書

CFRPへの落雷時に発生する撃力計測および損傷評価

研究課題

研究課題/領域番号 26820301
研究機関筑波技術大学

研究代表者

明松 圭昭  筑波技術大学, 産業技術学部, 准教授 (20396766)

研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2017-03-31
キーワード複合材料・物性
研究実績の概要

炭素繊維強化プラスチック(CFRP)は単一材料にはない優れた特徴(比強度,比剛性,耐摩耗性,電気・熱の伝導性に優れているなど)を有するため様々な構造物への適用が進んでいる。しかしCFRPは,衝撃を受けると層間はく離など内部損傷をおこし強度を大きく低下させるため,衝撃対策が重要な材料でもある。衝撃が生じる要因にはいくつかあるが,運用中に受ける衝撃としては落雷がある。従来の金属材料の場合には,機体に落雷しても重大な損傷が発生する可能性は低かったが,CFRPでは衝撃損傷として材料に蓄積される可能性がある。このような状況であるため,落雷による衝撃対策は重要である。にもかかわらず落雷時にCFRPに加わる衝撃力の報告は見当たらない。そこで本研究では,航空機等,CFRPを使用した構造物の安全性を高めるために雷損傷におよぼす落雷条件の影響を調査することである。具体的には本研究ではアコースティック・エミッション(AE)法と有限要素法を組合せることにより,雷損傷におよぼす落雷条件の影響および雷撃点における衝撃力特性の解明を目指す。そのために本年度は落雷条件(雷電圧,電流,持続時間,雰囲気等)の制御可能なコンデンサ放電回路を設計・製作した。種々の条件(雷電圧,電流,持続時間,雰囲気等)でCFRPに落雷させたのち,雷損傷観察を行った。金属に落雷する場合とは異なり,表面の繊維に沿って損傷が進展していることが確認された。また落雷エネルギの増加に伴い落雷痕が大きくなることが分かった。さらに落雷エネルギのほとんどはCFRP試験片表面で消費されることも分かった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初の予定通り落雷条件(雷電圧,電流,持続時間,雰囲気等)の制御可能なコンデンサ放電回路を設計・製作できた。種々の条件でCFRPに落雷させたのち,雷損傷観察を行い新しい知見が得られた。しかし,研究発表の機会に恵まれなかった。

今後の研究の推進方策

光ファイバ振動センサによる雷撃力の計測および解析を行う。平成26年度に行った雷損傷観察結果および雷撃力解析結果を用い,雷損傷におよぼす落雷条件の影響を系統的にまとめる。

次年度使用額が生じた理由

本学所有の設備でほとんどの研究を進めることができたため,物品費は抑えることができた。また発表の機会に恵まれなかったため旅費の使用は使用当初の計画より少なくなった。こっらの理由により次年度使用額が生じた。

次年度使用額の使用計画

計測装置および試験片材料購入に充てる。また研究発表のための旅費に充てる予定である。

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公開日: 2016-06-01  

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