本研究は,溶接アークの非軸対称かつ時間変化のある三次元的なプラズマ・金属蒸気挙動を実験的に明らかにすることを目的としている.こうした非軸対称プラズマの診断にはプラズマを多方向から計測し断面を再構成するトモグラフィ技術が必要であるが,プロセス中に発生する金属蒸気挙動をも捉える場合は複数の線スペクトルを同時に計測する必要がある.本研究では複数のCCDカメラと2種類の干渉フィルタからなる多色多方向同時計測装置を構築し,ミグアーク現象を対象に本手法を適用した.本計測によって,スプレー移行からグロビュール移行への遷移とともにアルゴン,鉄蒸気の分布に偏りが生じることを明らかにすることができた.
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