本研究はゼオライト/アパタイト複合体を用いた放射性Csの回収及び安定化技術の開発を目的に行った。80℃でのリン酸アンモニウムを用いたアルカリ水熱処理によって合成モルデナイト(MOR)/アパタイト複合体を作製した。得られた複合体はMORと同等の高いCs吸着能を保持していることが明らかになった。またCs吸着後の複合体とアパタイトマトリックスとの950℃及び1050℃におけるパルス通電加圧焼結及び1200℃での常圧焼結では、割れのない緻密な焼結体が得られ、0.6MNaCl中におけるCs溶出率は、いずれの焼結体も1.0%以下の低い値を示した。本技術は、放射性Csの回収および安定化法として期待できる。
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