本研究では、生体膜の構成成分である脂質二分子膜と水分子のみを選択的に透過する水チャネルを分離素子として用いた超高透水性逆浸透膜の開発を行った。アルキル鎖を導入した多孔質支持体をリポソーム懸濁液に接触させることで、水チャネルが導入された脂質二分子膜(supported lipid bilayer; SLB)を形成することができた。水チャネルとして、Gramicidin AやAmphotericin Bなどの生体分子を導入できることを確認した。水チャネルを導入したSLBについて、透水性、塩阻止率を評価したところ、水分子のみを透過する分離膜を作製でき、市販膜を凌駕する高い性能を達成した。
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