研究課題
本研究の目的は、製薬プロセスの品質・生産性向上にむけた多目的設計手法の開発である。H28年度の成果は以下の3点にまとめられる。(1)注射剤製造におけるプロセス改善手法・デバイス:製品ロス低減や製造リードタイム短縮にむけたプロセス改善手法を開発した。製品ロス低減については、ロスの発生過程を記述する数理モデルや、バッチ間のデータ変動を考慮した改善手法を開発した。代表的ロスである外観不良の分析のため、容器にかかる負荷の計測デバイスを開発した。リードタイム短縮については、洗浄・滅菌など製薬固有のプロセスを含むスケジューリング手法を開発した。(2)注射剤・固形製剤製造におけるプロセス設計・技術選択支援手法:注射剤製造に欠かせない作業空間の除染(微生物除去)について、所要時間を短縮するためのプロセス設計手法を開発した。同じく注射剤製造について、バッチ間で繰り返し使われる「マルチユース技術」と、バッチごとに組立・廃棄される「シングルユース技術」の選択支援手法を開発した。固形製剤についても、バッチ・連続製造技術の選択支援手法を開発した。(3)環境・健康・安全(Environment, Health & Safety: EHS)リスク低減支援手法:原薬製造を対象に、使用溶媒のEHSリスクを低減する手法を開発した。反応・抽出・晶析・乾燥などの主要プロセスについて、溶媒量の動的変化や装置の開放度、検出装置の能力、技術対策を取り込んだリスク評価手法を構築した。評価結果から対策が必要となる個所を特定し、生成した改善案を経済性や品質面ら多目的に評価することで、優れた改善案が得られる。溶媒の貯蔵や回収、最終処理も考慮した手法構築に着手し、プロセス全体のリスク低減手法の基盤とした。
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すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (16件) (うち国際共著 5件、 査読あり 14件、 謝辞記載あり 14件) 学会発表 (28件) (うち国際学会 11件、 招待講演 2件) 図書 (1件) 備考 (1件)
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