本研究では、酵素P450camを用いたアロステリック酵素の人工的な開発に向けて、性質の異なる化合物を系統的にP450camへコンジュゲートし、コンジュゲート前後の酵素活性と構造変化の関係を整理することにより、人工アロステリック酵素を作製する際の設計指針の獲得を試みた。多くの化合物でコンジュゲート後、不活性体の割合が増加することで酵素活性が低下した一方、コンジュゲートする化合物によっては、基質の結合低下により酵素活性の低下が起こっていることが示唆された。後者のような化合物を分子認識部位として利用すれば、分子認識により可逆的に活性が変化する人工アロステリック酵素の開発が期待される。
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