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2015 年度 実施状況報告書

フライト環境下における電磁ヒートシールド効果に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 26820378
研究機関岡山大学

研究代表者

永田 靖典  岡山大学, 自然科学研究科, 助教 (20635594)

研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2017-03-31
キーワード航空宇宙工学 / 大気圏再突入機 / プラズマ流制御 / 電磁流体 / 熱防御システム
研究実績の概要

本研究は,大気突入機の熱防御法として提案されている電磁ヒートシールドについて,実際のフライト環境に近い気流条件下における実験計測と,その結果を用いた数値シミュレーションの検証を目的としており,本年度は,実験計測に向けた予備試験,および実際のフライトを模した数値シミュレーションを行った.
実験計測では,JAXA宇宙科学研究所の大口径ICP加熱器を使用して,電磁ヒートシールド効果による抗力増大効果の計測を試みた.模型内部に磁石を設置することで,電磁ヒートシールド効果により抗力が増大するが,このICP加熱器においても抗力が増大するという結果が得られた.ただし,ICP加熱器のプラズマ気流に計測系を曝したところ,センサの動作が不安定となったため,十分な検証が行えておらず,今後改善させていく.また,ICP加熱器だけでなく,追加としてアーク加熱風洞を用いた実験の準備も進めた.
数値シミュレーションについては,ICP加熱器実験における流れ場の模擬に向けた準備を進めると同時に,実際のフライトを模した計算を先行して実施した.実際のカプセル開発を想定した磁場配置を検討し,そのときに予測される効果について計算し,考察を行った.これにより,より実際に近いフライト環境を模した計算を行うための計算環境が構築された.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

当初の計画では,本年度内に実験計測によるデータ取得,および数値シミュレーションとの比較を実施する予定であったが,計測系に問題が生じ,その解決に至っておらず,そのため数値シミュレーションとの比較も行えていない.
本研究ではJAXA宇宙科学研究所の大口径ICP加熱器が作る空気プラズマを用いて電磁ヒートシールド効果を検証することを目指しているが,実際に実験を行ったところ問題に直面した.この実験装置を使用している研究者のアドバイスを得つつ,対応を試みているが,実験装置が遠隔地であるため実験機会が限られ,十分な対応に至っていない.しかし,参考データではあるものの,抗力増大効果を示唆するデータがすでに得られており,対応が完了し次第,電磁ヒートシールド効果の検証に用いられるデータを取得できると考えている.
以上の理由により,達成度としては「やや遅れている」とした.

今後の研究の推進方策

本年度に引き続き,ICP加熱器を用いた実験計測を行うとともに,数値シミュレーションとの比較を行うことで,電磁ヒートシールド効果に関する知見の蓄積を図っていく.また,研究期間の最終年度であるため,成果をまとめ,その発信にも努める.
また,ICP加熱器実験と平行して,岡山大学で整備されたアーク加熱風洞を用いた実験も進めていく.このアーク加熱風洞で生成されたプラズマ気流の条件を実フライト環境に近づけることを試み,その気流条件下での電磁ヒートシールド効果の計測データを得ることを目指す.これにより,実験データの蓄積を促進していく.

次年度使用額が生じた理由

実験計測に使用する計測系の整備費用や,消耗品の費用が安価に済んだことが理由として挙げられる.

次年度使用額の使用計画

実験計測に使用する計測系の整備・改修のための費用として使用していく.

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2015

すべて 学会発表 (2件) (うち国際学会 1件)

  • [学会発表] 極超音速プラズマ気流に対する複数磁場印加による効果2015

    • 著者名/発表者名
      永田靖典,柳瀬眞一郎,山田和彦,安部隆士
    • 学会等名
      日本機械学会 第28回計算力学講演会
    • 発表場所
      横浜
    • 年月日
      2015-10-11
  • [学会発表] Drag Enhancement for Atmospheric Entry Capsule using Electrodynamic Effect with Multi-magnetic Source2015

    • 著者名/発表者名
      Yasunori Nagata, Kazuhiko Yamada, Takashi Abe
    • 学会等名
      30th International Symposium on Space Technology and Science
    • 発表場所
      Kobe-Hyogo, Japan
    • 年月日
      2015-07-07
    • 国際学会

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公開日: 2017-01-06  

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