高圧下における微小隙間内消炎現象に関する基礎的研究

2014 年度 実施状況報告書

• 研究課題/領域番号: 26820388
• 研究機関: 独立行政法人海上技術安全研究所
• 研究代表者: 川内 智詞 独立行政法人海上技術安全研究所, その他部局等, 研究員 (20549993)
• 研究期間 (年度): 2014-04-01 – 2016-03-31
• キーワード: 文献情報収集

研究実績の概要

高圧場における希薄予混合気の消炎距離計測を目的として、初年度となる平成２６年度は関連する分野における研究の文献調査を行い実験で使用する装置の概念設計を行った。具体的には、燃焼試験において使用する急速圧縮膨張装置のピストン形状を設計し、ピストン形状から決まる圧縮比と圧縮上死点における雰囲気圧力との関係から、実験条件となる雰囲気圧力及び温度の範囲を決定した。その際、燃焼試験において対象としている雰囲気圧力・温度場において、現状の装置で使用している点火プラグの点火エネルギが、希薄予混合気を点火するためのエネルギとして十分とならないことが想定されたため、燃焼試験において使用する希薄予混合気の点火手法について検討した。燃焼試験では高圧場における希薄予混合気の点火に十分なエネルギを確保するため、大型のガスエンジンにおいて一般的に用いられる微量の軽油を噴射して混合気を着火させる手法を適用する予定である。平成２７年度は、すでに実施した概念設計をもとにして装置の製作を行い燃焼試験を実施する。
さらに、本年度は計画を前倒しで次年度実施予定の数値解析について、数値解析にて使用する計算コードを構築した。流体解析プログラムに連成された反応計算にかかる計算コストが非常に大きくなることから、MPIをもとにした並列計算コードを組み込み、現実的な時間にて計算ができることを確認した。本計算プログラムを用いて数値解析を行い、実験結果と数値解析の2つの視点から高圧場における希薄予混合気の消炎距離内における火炎伝播過程を明らかにする。

現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

本年度実施を予定していた装置の製作及び実験の実施まで到達しなかったため。

今後の研究の推進方策

研究計画からはやや遅れているものの、次年度実施予定であった数値解析コードの構築など前倒しで進めている研究内容もあり、当初の研究計画を遂行できると考えている。平成２７年度は、２６年度に設計した装置を製作して燃焼試験を行い消炎距離に及ぼす各種因子の影響を明らかにする。

次年度使用額が生じた理由

平成26年度では装置の概念設計までで研究が終了してしまったため。

次年度使用額の使用計画

平成 26年度に設計した装置の物品調達に主に使用する。また、実験の実施にあわせて消耗品となる燃料や実験の備品購入のために使用する予定である。