難分解性有機化合物の分解にはフェントン法や過硫酸法等の促進酸化法がよく用いられているが,有機酸が存在することにより有機化合物の分解を効率化できる反応がある。しかし、有機酸試薬はコストが高い。 そこで,ワイン製造工程から発生するワイン残渣中に含まれる有機酸を利用した促進酸化法による有機塩素化合物の分解法を検討した。その結果、第二鉄イオンの光反応による有機塩素化合物の分解および第一鉄を触媒とした過硫酸法による有機塩素化合物の分解において、ワイン残渣を添加し、ワイン残渣中に含まれる酒石酸を供給することにより、有機塩素化合物の分解が促進されることを明らかにした。
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