本研究は地化学試料中の希土類元素をLA-ICP-MSで局所分析する際に最適な均質かつ目的濃度を含む固体標準試料を新規調製することを目的とした。シリカガラスをゾル-ゲル法を用いて調製する際にアルミニウムと希土類元素のダブルプロポキサイドを前駆体とすることで、希土類元素同士の凝集を防止し、希土類元素の分散性の良い標準シリカガラス試料を125-25,000ppmの濃度範囲内で調製することに成功した。構造評価にはFT-IRやXAFSなどの分光学的手法およびLA-ICP-MSによる3次元マッピングにて行い、高い分散性は、単一、4種類、15種類の希土類元素を含む試料のいずれにおいても得られた。
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