研究課題/領域番号 |
26820403
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研究機関 | 独立行政法人日本原子力研究開発機構 |
研究代表者 |
宇藤 裕康 独立行政法人日本原子力研究開発機構, 核融合研究開発部門 六ヶ所核融合研究所, 研究員 (50566247)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | プラズマ・核融合 / システム工学 / 超伝導 |
研究実績の概要 |
革新的な鎖交型超伝導コイルシステム概念を構築し、パルス運転が可能な小型定常炉概念を創出するために、今年度は鎖交型超伝導コイル設計コードの開発、鎖交型超伝導コイルシステムの構造概念の検討、及び超伝導導体電流値の磁場方向依存性の数値計算の準備を中心に以下のとおり研究を進めた。 (1) 最小の鎖交型超伝導コイル寸法を系統的に評価する最小にするため、申請者が先行研究にて開発した超伝導トロイダル磁場(TF)コイル設計コードSCONEをベースとした鎖交型超伝導コイル設計コードを開発した。鎖交型超伝導コイル設計コードでは、中心ソレノイド(CS)コイルやポロイダル磁場(PF)コイル独自の応力を評価する評価式、導体の交流損失等による発熱を考慮した熱バランス式を導入した。本コードは既存のITER超伝導CS・PFコイルの設計とベンチマークを行い、ほぼ一致する結果が得られた。 (2) 上記(1)において開発した超伝導CS・PFコイル設計コードを用いて、先進ダイバータ配位を含むプラズマの形状・位置制御に十分な電流値を満たす鎖交型CS・PFコイルの、巻線数や導体寸法などの概略仕様を求め、巻き構造などの基本構造概念を検討した。 (3) 鎖交型超伝導コイル概念において重要となる、超伝導コイル線材の選定並びにコイル寸法を決定するため、鎖交型超伝導コイルの候補線材であるNbTi、Nb3Sn、Nb3Alの超伝導コイル導体に対して、磁場強度と磁場方向を変化させた際の導体電流値を数値計算で求め、鎖交型超伝導コイル設計用データベース構築のための準備を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
これまでなかった鎖交型超伝導コイル設計コードを開発し、先進ダイバータ配位を含む炉心プラズマ配位形成に必要な電流値を満たす鎖交型CS・PFコイルの概略仕様を設計できるようになった。これにより様々な炉心プラズマに対応する鎖交型超伝導コイル設計が容易に行えるようになり、鎖交型超伝導コイルシステム概念を用いた小型定常炉に向けた検討が進展した。
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今後の研究の推進方策 |
超伝導導体電流値の磁場方向依存性の数値計算により鎖交型超伝導コイル設計用データベースを構築し、鎖交型超伝導コイル設計コードに結合する。さらに炉設計システム解析コードと連結し、設計パラメータの感度解析により構造設計にフィードバックしながら、鎖交型超伝導コイルの構造概念の構築を目指す。
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次年度使用額が生じた理由 |
今年度は小規模のコード開発・計算環境で行える研究であり、次年度以降に下記の計画のように大規模なコード開発および解析を行う方が研究開発が効率良く進められると判断したため。
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次年度使用額の使用計画 |
超伝導導体電流値の磁場方向依存性の数値計算および鎖交型超伝導コイル設計コードと炉設計システム解析コードとの連結作業、設計パラメータの感度解析のために解析用PCおよびソフトウェアを購入し、研究成果の発表及び超伝導コイル、炉システム設計の専門家との討論・情報交換のため、国際会議及び国内学会に参加する。
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