本研究は、Nd3+イオンの禁制遷移を利用した近赤外発光型ペロブスカイト結晶シンチレータを開発を目的とし、サンプルの合成から、光学特性 (透過率、反射率、屈折率、蛍光)及び放射線応答特性評価(シンチレーション、減衰時定数、発光量、温度特性、線量応答性、熱蛍光、輝尽蛍光)を統合的に行うことで、広線量率範囲において、近赤外発光による線量評価が可能な材料の開発を目指している。研究の結果、Ndを0.5-1.0 mol%添加した(Y, Lu)AlO3系結晶が近赤外域において高い透明性を有し、高い検出効率と高い発光強度、優れた線量応答性を有するシンチレータであることが見出された。
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